商品を仕入れた時の仕訳のタイミングと記帳方法

商品を仕入れて販売することは多くの事業で行われていることです。

そのため、仕訳としても行うことが多い作業になります。

仕入れると言っても、目の前にある商品をその場で現金で仕入れることもあれば、買掛金という形で支払うケースもあります。

  • 仕入れの経費計上のタイミングが分からない
  • 仕入れの記帳の方法が分からない
  • 年末まで売れ残った商品の仕分けがわからない

このような方は最後まで記事を読んでもらえれば悩みを解決することができます。

仕入れの経費計上のタイミング

卸問屋に行って目の前にある商品をその場でキャッシュで支払ったのであれば、

経費計上のタイミングなんて考える必要はないですね。

その日が計上する日です。

会計の世界では『発生主義』という考えが基本です。

発生主義の下、いくつかの計上基準があり、どれかを選択することになります。

どれを選択しても問題はありませんが、一度選択した基準は基本的に変えません。

出荷基準:取引先が商品を出荷した日が基準日

引渡基準:商品が自社の手元に届いた日が基準日

検収基準:手元に届いた商品の検収が完了した日が基準日

回収基準:商品の決済が完了した日が基準日

発生主義の原則から考えると、取引が発生した日と考えると分かりやすいと思います。

あなたの事業にマッチした方法を選択してください。

仕入れをした時の仕訳の方法

それでは、例を使って考えてみましょう。

ここでは出荷基準で考えていきます。

8月10日に商品Aを10,000円分発注し、8月11日に出荷連絡がありました。

支払はクレジットカードで済ませました。

クレジットカードの支払いは9月25日です。

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この場合の仕訳は

8月11日 借方 仕入高 10,000円 / 貸方 買掛金 10,000円 摘要 商品A

9月25日 借方 買掛金 10,000円 / 貸方 普通預金 10,000円 摘要 商品A

このようになります。

クレジットカードは買掛金という勘定科目を使います、商品は買ったけど支払いは後というときに利用します。

取引はなるべく記録に残しておいた方が良いので、私は基本的に現金での取引はほとんどしません。

後で確認もできるし、税務調査などでも証拠として見せることができますね。

ちなみに、商品仕入れ時にかかった送料などは商品の取得価額に含みます。

つまり、仕入高に含まれるということです(仕入諸掛と言いますが、帳簿上は仕入高です)。

先ほどの例で、送料800円がかかった場合は以下のような仕訳となります。

8月11日 借方 仕入高 10,800円 / 貸方 買掛金 10,000円 摘要 商品A
現金   800円
9月25日 借方 買掛金 10,000円 / 貸方 普通預金 10,000円 摘要 商品A

送料は通常その場で現金で払うのでこのような仕訳となります。

商品を仕入れたらすべて経費になるわけではない

商品を仕入れたら経費になるので節税になる、そう思っていませんか?

実はそれは間違いです。

商品は売れて初めて経費となります。

年度内で売れなかった商品は『棚卸資産』と扱われます。

棚卸資産は文字通り資産なので、経費ではありません。

現金という資産が商品に形を変えただけ、将来それは売上になることが期待されるので資産ということです。

売上総利益=売上―売上原価

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

となります。

期末(通常個人事業主は12月31日)時点で残っている商品は引かれていますので、売り上げから引かれません、つまり経費になっていないんです。

まとめ

仕入時の計上タイミングと仕訳について理解ができたと思います。

基準をしっかり決めておけば特別難しいものではありませんので、基本をしっかり確認しておきましょう。

仕入れた=経費になる=節税になる

この考えは必ずしも正しくありませんので、節税についても正しい知識を持っておきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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