「自分らしく生きたい」「自分にしかできないことを見つけたい」
こうした言葉は、とても前向きで美しく聞こえます。
ですが実際には、この“自分らしさ”を探し始めた途端に、動けなくなってしまう人が少なくありません。
なぜ、「自分らしさ」を探すほど人は迷子になってしまうのでしょうか。
「自分らしさ」を探すほど迷子になるワケ
「自分らしさ」は見つけるものではない
多くの人が勘違いしているのは、「自分らしさはどこかに存在していて、それを見つけ出すものだ」という前提です。
しかし現実には、完成された“自分らしさ”が最初から用意されていることはほぼありません。
自分らしさとは、行動の積み重ねの中で後から言語化されるものです。
つまり「探す」対象ではなく、「結果として浮かび上がる」ものなのです。
にもかかわらず、最初から答えを探そうとすると、動けなくなります。
選択肢が多すぎる時代の落とし穴
現代は、SNSやネットを通じて無数の生き方・働き方が見える時代です。
起業、フリーランス、副業、クリエイター、投資家…。成功例はいくらでも流れてきます。
それらを見れば見るほど、人はこう思います。
「自分はどれなんだろう?」
「本当に向いている道はどれだろう?」
選択肢が増えすぎると、人は決断できなくなります。
そして「間違えたくない」という気持ちが強まり、動けなくなる。これが迷子の正体です。
「好きなこと」から始めると止まりやすい
自分らしさ探しでよくあるアドバイスに、「好きなことを仕事にしよう」「ワクワクすることを見つけよう」というものがあります。
もちろん、好きなことは大切です。
しかし問題は、好きかどうかを“頭で考え続ける”ことです。
・本当に好きなのか
・一時的な感情ではないか
・向いていなかったらどうしよう
こうした思考がループし、行動に移せなくなります。
好きかどうかは、やってみて初めて分かることがほとんどです。
「自分らしさ」は比較の中で失われる
自分らしさを探しているとき、人は無意識に他人と比べています。
「あの人みたいにはなれない」
「自分は中途半端だ」
比較を続けるほど、自分の輪郭はぼやけていきます。
なぜなら、比較している時点で“自分基準”ではなく“他人基準”で生きているからです。
自分らしさを見つけたいのに、逆のことをしてしまっているのです。
結果を出している人は「自分らしさ」を気にしていない
面白いことに、成果を出している人ほど「自分らしさ」について語りません。
彼らはただ、「今できること」を淡々と積み上げています。
・目の前の人をどう喜ばせるか
・今の環境で何が改善できるか
この積み重ねの中で、
「あの人っぽいよね」
「あの人ならではだよね」
と、周囲が勝手に評価していきます。
自分らしさは、他人の言葉によって初めて輪郭を持つのです。
「らしさ」は設計するものではなく、滲み出るもの
自分らしさを無理に作ろうとすると、どこか不自然になります。
一方で、行動を続けている人からは、その人ならではの癖や価値観が自然と滲み出てきます。
・選ぶ言葉
・判断の速さ
・大切にしている基準
これらは、考えて作るものではありません。
積み重ねの中で形成されるものです。
迷子から抜け出すための視点
もし今、「自分らしさが分からない」と感じているなら、こう考えてみてください。
「今は探すフェーズではなく、試すフェーズだ」
小さく行動し、合わなければ変える。
それを繰り返す中で、自分の輪郭は少しずつはっきりしてきます。
自分らしさは“後付け”でいい
自分らしさを探すほど、人は迷子になる。
それは、自分らしさを“スタート地点”に置いてしまうからです。
本来、自分らしさはゴールに近い場所にあります。行動した結果、振り返ったときに見えてくるもの。
迷っている今こそ、答えを探すのをやめて、まず一歩。その先にしか、「あなたらしさ」は存在しません。