「ウチの商品も悪くないのに、なぜか埋もれてしまう」
「差別化をしたいけど、何を変えればいいのかわからない」
「無難にまとめた結果、誰の心にも残らない…」
そんな悩みを抱えている企業や個人は、決して少なくありません。品質も接客も、価格もそれなりに整えているのに、なぜか選ばれない。
原因は、ズバリ「普通すぎるから」かもしれません。
今、消費者の心を動かすのは「優等生」ではなく、「クセがあるもの」「思いが詰まっているもの」「共感を呼ぶ物語」を持った存在なんです。
つまり、“普通”から抜け出したとき、初めてブランドとしての価値が生まれます。
今回は、「なぜ“普通”を捨てることがブランド構築につながるのか」「どうすれば“普通”から脱却できるのか」について、深掘りしていきます。
「普通」は安心。でも、それだけでは“印象”に残らない
「失敗しないように」「誰にでも受け入れてもらえるように」そうやって整えられた商品やサービスは、確かに安心感があります。
しかし一方で、消費者の心に残る「物語性」や「個性」が希薄になってしまいがちです。
たとえば、SNSでバズっている商品やサービス、ファンに愛されているブランドを思い浮かべてください。
そこには必ずと言っていいほど、“どこか尖ったポイント”や“他と違う価値観”が存在しています。
つまり、ブランドとは「無難さの対極」にあります。
ブランドは、「好き嫌い」が分かれるものです。
むしろ、“全員に好かれない”ことこそがブランドの証とも言えるかもしれません。
ファンができるということは、その裏で「合わない」「興味がない」と感じる人もいるということ。
だからこそ、ブランドにはコアな支持が生まれるのです。
“普通”から抜け出すには?3つのアプローチ
では、どうすれば「普通」を脱して、“ブランド”として認知される存在になれるのでしょうか。以下に3つのアプローチを紹介します。
1. 自分だけの「こだわり」を打ち出す
ブランディングの第一歩は、「これだけは譲れない」という価値観や美学を明確にすることです。
それは機能面やスペックではなく、もっと感情に近い部分であることが多いです。
たとえば:
・「お客様に最初の名前で呼ばれる関係を目指している」
・「あえて流行を追わず、10年後も残るデザインを貫く」
・「時短よりも“丁寧な手間”を重視する」
こうした価値観をストーリーとして発信することで、共感が生まれ、ブランドとしての核が形成されていきます。
2. “他との違い”を恐れず、むしろ誇る
・「他と違っていても大丈夫だろうか?」
・そう不安に感じることがあるかもしれません。
・ですが、違いこそが選ばれる理由になります。
他と比べて価格が高くてもいい。サービス提供のスタイルが異質でもいい。問題はそれを“なぜそうしているのか”という理由と覚悟を持って語れるかどうかです。
他と同じであることに安心するのではなく、違うからこそ価値があるという視点に立つことで、自分らしいブランドが形になります。
3. ターゲットを絞り込む
「誰にでも売れる」ことを目指すと、結局「誰にも刺さらない」商品になってしまいます。
それよりも、特定の誰かに“熱狂的に刺さる”ものをつくる方が、はるかにブランドとして強いです。
たとえば:
・「30代後半で育児と仕事の両立に悩む女性」
・「副業を始めたいが、一歩が踏み出せないサラリーマン」
・「大手よりも“顔が見える関係”を大事にする地元企業」
こうした具体的なターゲットに対し、その人たちの言葉で語りかけ、悩みに寄り添うことで、「これは自分のための商品だ」と感じさせることができるのです。
“普通”の正体は「他人の期待に合わせること」
“普通”とは、言い換えれば「平均的で、波風立たず、誰の目にも無難なもの」。
しかしこれは、**他人の期待に合わせた結果生まれる“外向きの正解”**です。
一方、ブランドとは、「自分の価値観から出発し、それを世の中に示した結果、共感が生まれるもの」。つまり、内から湧き出るものに忠実であることが本質です。
他人の期待に応えることではなく、自分の美学や想いを貫くこと。そこにこそ、ブランドの原点があります。
終わりに:尖る勇気が未来を変える
ブランドは、誰でも持てます。資本力がなくても、大企業でなくても、「何を大切にしているか」を明確に語れれば、それは立派なブランドの第一歩です。
無難を選び続けてきた人こそ、「自分はどうありたいか」「何を変えたいか」という問いを自分に投げかけてみてください。
そして、“普通”を少しずつ手放してみましょう。
勇気を持って尖った先にしか、本当のブランドは生まれません。
誰かの「共感」や「熱狂」は、その先で待っています。