「自分は決断が遅い」
「いつも迷ってばかりいる」
そんなふうに、迷いやすい自分を欠点だと感じている人は少なくありません。即断即決できる人が評価される場面が多い社会では、迷うことは“優柔不断”と見なされがちです。
しかし本当に、迷いは弱さなのでしょうか。
むしろ、迷いが多い人ほど優秀である可能性もあるのです。
迷いが多い人ほど優秀な可能性
迷いは「選択肢が見えている証拠」
そもそも迷いとは何でしょうか。
それは、複数の可能性が見えている状態です。
AとBのどちらにするか迷うのは、それぞれのメリットやリスクを想像できているからです。もし一つの選択肢しか見えていなければ、迷いは生まれません。
つまり迷いとは、
・視野が広い
・想像力がある
・先を読む力がある
こうした能力の裏返しとも言えます。
単純に考えられる人は早く決められますが、複雑に考えられる人ほど迷う。これは能力の欠如ではなく、情報処理の深さの違いです。
責任感が強い人ほど迷う
もう一つ、迷いが多い人の特徴があります。それは責任感の強さです。
「本当にこれでいいのか」
「誰かに不利益が出ないか」
「長期的に見て正しいか」
こうした視点を持つ人ほど、軽率に決められません。
迷いは、真剣さの証でもあるのです。
もちろん、決断が遅すぎれば機会を逃すこともあります。しかし、熟慮が必要な場面で深く考えられる人は、組織や社会にとって重要な存在です。
迷わない人が常に正しいとは限らない
即断できる人は頼もしく見えます。ですが、迷わないことと正しいことは同義ではありません。
迷わない人は、
・前提を疑わない
・他の可能性を検討しない
・リスクを軽視する
という危険も抱えています。
歴史を振り返っても、問題の多くは「疑わなかったこと」から生まれています。
迷いはブレーキの役割を果たします。
優秀さとは、速さだけでなく、精度でもあります。迷える人は、精度を高める力を持っているのです。
迷いが苦しくなる理由
それでも、迷いは当人にとってつらいものです。
なぜなら、私たちは「早く決める人=有能」という価値観にさらされ続けているからです。
迷っている自分を、
「ダメだ」
「能力が低い」
と解釈してしまう。
ここで問題なのは迷いそのものではなく、迷いへの自己評価です。
迷う自分を責めるほど、思考は硬直します。本来は慎重さだったものが、不安に変わってしまうのです。
迷いを力に変える視点
迷いが多い人が意識すべきなのは、「迷わないこと」ではありません。
「どこまで迷うかを決めること」です。
・期限を決める
・判断基準を言語化する
・最悪のケースを想定する
こうした枠組みを作ることで、迷いは整理されます。
迷いを消すのではなく、扱えるようにする。
それができたとき、迷いは武器になります。
優秀さの本質とは何か
優秀とは、単に速いことではありません。
状況を多面的に捉え、リスクを想像し、最適解を探ろうとする姿勢もまた、重要な能力です。
迷いが多いということは、それだけ真剣に向き合っている証拠でもあります。
即断できる人が前に進むエンジンなら、迷える人は方向を調整する舵の役割を果たします。
どちらが欠けても、組織も人生も安定しません。
迷いが多い人ほど優秀な可能性 | まとめ
迷いが多いことは、決して劣っている証ではありません。それは、視野の広さや責任感、想像力の豊かさの表れかもしれない。
大切なのは、迷いを否定することではなく、構造化すること。
迷う自分を責めるのではなく、「それだけ考えられている」と捉え直すこと。
もしあなたが人一倍迷う人なら、それは優秀さの芽かもしれません。
迷いは弱さではなく、深さです。
その深さをどう扱うかで、あなたの力は大きく変わっていくのです。