フリーランスは老後資金をきちんと貯めれるの?
- 2024/9/27
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「フリーランスになって、老後の資金はちゃんと貯められるの?」そんな不安を抱えていませんか?
実は、フリーランスでも正しい知識と戦略があれば、老後資金をしっかりと準備することができます。
本記事では、フリーランスの平均的な老後資金の貯蓄額から、老後資金を貯めにくい理由などについて解説します。
フリーランスの老後資金、平均はどのくらい?
フリーランスとして活躍する上で、将来のお金の不安はつきものです。老後資金は、会社員のように企業年金や退職金がないため、自ら準備する必要があります。
では、実際にフリーランスはどの程度の老後資金を持っているのでしょうか?
残念ながら、フリーランスの老後資金に関する公式な統計データは存在しません。
しかし、いくつかの民間調査やアンケート結果から、その傾向を掴むことはできます。
1 年代別の貯蓄額の目安
例えば、金融広報中央委員会が実施した「令和4年 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、年代別の平均貯蓄額は以下の通りです。
年齢 | 平均貯蓄額 |
---|---|
30~39歳 | 656万円 |
40~49歳 | 1,044万円 |
50~59歳 | 1,412万円 |
60~69歳 | 1,710万円 |
出典:金融広報中央委員会「令和4年 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」
このデータはあくまでも二人以上世帯を対象としたものであり、フリーランス全体を反映したものではありません。しかし、フリーランスであっても、年齢を重ねるごとに貯蓄額が増加傾向にあることは伺えます。
2 老後資金に必要な金額は?
老後に必要となる生活費は、生活水準や健康状態によって大きく異なります。一般的には、ゆとりある老後を送るためには、公的年金に加えて、月に10~20万円程度の貯蓄を取り崩すとされています。仮に65歳でリタイアし、30年間生活すると仮定すると、最低でも3,600万円~7,200万円の老後資金が必要になる計算です。
3 フリーランスの老後資金、平均は?
前述の通り、フリーランスの老後資金に関する正確なデータはありません。
しかし、上記の平均貯蓄額や老後資金に必要な金額を考慮すると、多くのフリーランスにとって老後資金の準備は重要な課題と言えるでしょう。
特にフリーランスは収入が不安定になりがちであり、病気やケガで働けなくなるリスクも考慮する必要があります。そのため、早いうちから計画的に老後資金を準備していくことが大切です。
なぜフリーランスは老後資金を貯めにくいと言われるのか
会社員と比較して、フリーランスは老後資金を貯めにくいと言われています。
その理由は、収入や福利厚生、働き方など、様々な側面に不安要素があるからです。
大きく分けて、以下の3つの理由が挙げられます。
1 収入の不安定さ
フリーランスは、企業に雇用されているわけではありません。そのため、仕事を受注できなければ収入はゼロになってしまいます。
また、収入が安定せず、月によって大きく変動することも珍しくありません。病気やケガなどで働けなくなってしまった場合、収入が途絶えてしまうリスクもあります。
このような収入の不安定さが、老後資金形成の大きなハードルとなるのです。
雇用形態 | 収入の安定性 | 収入源 |
---|---|---|
会社員 | 安定収入が見込める | 会社からの給与 |
フリーランス | 収入が不安定 | 業務委託報酬や成果報酬など |
上記のように、会社員とフリーランスでは収入の安定性が大きく異なります。
安定収入が見込める会社員と比較して、収入が不安定なフリーランスは、将来の見通しが立てにくく、老後資金を計画的に貯めることが難しいという側面があります。
2 福利厚生の不足
会社員は、厚生年金や健康保険、雇用保険などの福利厚生が充実しています。
しかし、フリーランスはこれらの福利厚生を自分で加入する必要があります。
国民年金や国民健康保険への加入は必須ですが、会社員と比べて自己負担額が大きくなってしまいます。
また、企業型確定拠出年金や退職金制度など、会社員が利用できる老後資金の準備制度も、フリーランスは利用できません。
2.1 フリーランスが利用できない主な福利厚生
- 厚生年金
- 健康保険(協会けんぽ)
- 雇用保険
- 企業型確定拠出年金
- 退職金制度
これらの福利厚生の不足は、フリーランスにとって大きな負担となるだけでなく、老後の生活設計を複雑にする要因となります。福利厚生がない分、将来に備えて自分で資金を準備しておく必要があることを意識しなければなりません。
3 将来設計の難しさ
フリーランスは、自分の裁量で仕事を選び、時間や場所を自由に決めることができます。
しかし、その反面、将来のキャリアパスや収入の見通しを立てにくいという側面も持ち合わせています。
会社員のように、定期的な昇給や昇進があるわけではないため、長期的な視点に立ったライフプランが立てにくいと言えるでしょう。
3.1 将来設計を難しくする要因
- 収入の変動が大きく、将来的な収入の見通しが立てにくい
- キャリアパスが多様で、将来像を明確に描きにくい
- 社会保障制度が会社員と異なるため、自分で情報収集や対策を行う必要がある
このように、フリーランスは自由度の高い働き方を実現できる一方で、将来設計の難しさという課題も抱えています。
老後資金についても、早いうちから意識して準備を進めておくことが重要です。
これらの問題点を踏まえ、フリーランスは老後資金を貯めるために、国民年金基金への加入やNISA、iDeCoなどを活用するなど、様々な対策を講じる必要があります。
次回は具体的な老後資金の貯め方について詳しく解説します。