「もっと行動できる人になりたい」「新しいことに挑戦したい」。
そう思っているにもかかわらず、なかなか変われないと感じたことはないでしょうか。
多くの場合、その理由は「意志が弱いから」「努力が足りないから」と説明されます。
しかし実際には、人が変われない理由の多くは意志ではなく「前提」にあります。
ここでいう前提とは、「世界はこういうものだ」「自分はこういう人間だ」「物事はこうあるべきだ」といった、自分の中で当たり前になっている考え方のことです。
そして厄介なのは、この前提はあまりにも当たり前すぎるため、自分ではほとんど気づけないという点です。
「変わりたいのに変われない」と感じる理由
人は自分の前提に従って行動している
人は基本的に、自分の中にある前提に基づいて合理的に行動します。
つまり、行動できないのは意志の問題ではなく、その前提の中では行動しない方が合理的だからなのです。
例えば、「挑戦したいけれど一歩が踏み出せない」という人がいます。
その人の中には、次のような前提があるかもしれません。
・失敗すると評価が下がる
・人に迷惑をかけてはいけない
・完璧でなければならない
もしこの前提を持っているとすれば、挑戦することは非常にリスクの高い行為になります。
その結果、「挑戦しない」という行動が選ばれてしまうのです。
つまりこれは、意志が弱いからではありません。
その前提の中では、挑戦しないことが合理的な判断なのです。
習慣が続かないのも前提の影響
この考え方は、日常の習慣にも当てはまります。
例えば、「運動を続けたいのに続かない」という人がいます。
この場合も、「三日坊主」「根性がない」と言われることがあります。
しかし、その人の前提が次のようなものだったらどうでしょうか。
・運動はつらいもの
・忙しい人は運動できない
・まとまった時間がないと意味がない
この前提のままでは、運動を続けることはとても難しくなります。
つまり問題は意志ではなく、行動を制限している前提なのです。
組織が変われない理由も同じ
この構造は、個人だけでなく組織にも当てはまります。
会社やチームで新しい取り組みを始めても、なかなか変化が起きないことがあります。
そのとき、「社員の意識が低い」「やる気が足りない」と考えてしまうことも少なくありません。
しかし実際には、組織の中に次のような前提がある場合があります。
・前例がないことはやらない
・失敗すると責任を問われる
・上司の指示がないと動かない
このような前提がある環境では、新しい挑戦は自然と減っていきます。
どれだけ「チャレンジしよう」と言葉で伝えても、前提が変わらなければ行動は変わらないのです。
変化の鍵は「前提に気づくこと」
では、どうすれば人は変われるのでしょうか。
その第一歩は、自分の前提に気づくことです。
自分はどんな前提を持っているのか。
それは本当に正しいのか。
別の考え方はないのか。
この問いを持つだけで、見える世界は大きく変わります。
例えば、
「失敗してはいけない」 という前提を
「失敗は成長の一部」 という前提に変えるだけで、挑戦へのハードルは大きく下がります。
「忙しいからできない」 という前提を
「小さく始めればできる」 という前提に変えるだけで、行動はぐっと現実的になります。
人は意志ではなく前提で変わる
人は意志だけではなかなか変われません。
しかし、前提が変わると行動は自然と変わります。
なぜなら、人は自分の前提に従って合理的に行動しているからです。
もし「変わりたいのに変われない」と感じているなら、自分を責める必要はありません。
意志が弱いわけでも、努力が足りないわけでもないのです。
まずは、自分の中にある前提に目を向けてみてください。
もしかすると、その前提こそが、あなたの可能性にブレーキをかけているのかもしれません。
そしてその前提を少しだけ変えることができたとき、「変わる」ということは、思っているよりもずっと自然に起こるものなのです。