起業

起業のために貯金はいくら必要?の正直な話

2025年7月30日

「起業したいけれど、お金が不安で踏み出せない」

そんな声をよく耳にします。たしかに、会社員としての安定収入を手放し、ゼロからビジネスを立ち上げるとなると、金銭的な不安は避けて通れません。

では、実際に起業するにはどれくらいの貯金が必要なのでしょうか?

今回は、「起業のために本当に必要な貯金額」と「貯金よりも重要なこと」について、リアルで現実的な視点からお話しします。

「起業費用=300万円」は本当か?

ネットや書籍でよく目にするのは「起業には最低でも300万円は必要」といった数字です。

たしかに、事務所を借りて、法人登記をして、設備を整えて…と“ちゃんと”したスタートを切ろうとすれば、それくらいかかるのかもしれません。

しかし実際には、多くの個人起業家がもっと小さく始めています。ノートパソコン1台とスマホがあれば成立するビジネスも増えており、起業の初期費用はどんどん下がってきています。

たとえば、オンライン講座の販売やコンサルティング、SNSマーケティングなどの仕事であれば、10万円以下でも十分スタートが可能です。

生活費の備えはどれくらい必要?

とはいえ、起業でいちばん心配なのは「日々の生活費」ではないでしょうか。収入がゼロでも暮らしていける備えが必要です。

目安としては「最低でも3〜6ヶ月分の生活費」があると安心です。月20万円で暮らしている人なら、60万〜120万円程度。もちろん多いに越したことはありませんが、「1年分ないと起業できない」と思い込んでしまうと、いつまでもスタートが切れなくなってしまいます。

また、副業や小さな収入を得ながら徐々にスライドして起業していく「スモールスタート型」であれば、そこまでの蓄えがなくても現実的に進めていくことができます。

「貯金=安心」とは限らない理由

ここで注意したいのは、「貯金さえあれば安心」とは限らないということです。

たとえば、数百万円の貯金があっても、「何から始めていいか分からない」「売れる商品がない」「SNS発信が苦手」といった状態では、どんなにお金があっても不安が消えることはありません。

むしろ、お金がある分だけ、減っていく焦りが増す可能性すらあります。

それよりも重要なのは、「小さな成果を出せる設計」や「売上を立てるための行動が日常に組み込まれているか」という部分です。貯金はあくまで“保険”。成功に直結するのは、行動力と戦略です。

「お金をかけずに起業する」ための3つの工夫

貯金額を気にするよりも、「いかにお金をかけずに起業できるか?」という視点を持つことが、今の時代の賢いやり方です。

① 無料ツールを最大限活用する
Canva、Notion、Google Workspace、LINE公式アカウント、Instagramなど、無料で使えるビジネスツールが豊富にあります。特に、デザインや事務、マーケティング周りは、これらを駆使すればほぼゼロ円で準備可能です。

② 小さな販売から始める
いきなり数十万円の商品を作るのではなく、まずは3,000円〜5,000円程度のサービスを作って売ってみることで、「売る感覚」と「買ってもらう自信」がつきます。

③ 仲間や先輩起業家とつながる
一人で悩んでいても答えは出ません。すでに一歩先を歩いている人の言葉や実体験ほど、リアルな判断材料はありません。起業コミュニティや交流会に参加するのもおすすめです。

大切なのは「数字より、設計」

起業に必要な貯金額に明確な正解はありません。

ただし、共通して言えるのは「お金が十分にあっても、戦略がなければ不安は消えない」「少ないお金でも、行動と工夫があれば起業はできる」ということです。

起業に踏み出すとき、必要なのは100万円の貯金よりも、「稼げる行動習慣」と「売ることへの心理的ハードルの低さ」。そして、「小さく始めて、試しながら育てる」という視点があれば、ゼロからでもしっかりビジネスをつくっていくことができます。

「お金が貯まったら」ではなく、「この行動で月に3万円稼げるようになったら」起業準備完了。そんな設計図を描いてみませんか?

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