「売り込むのが苦手です…」
「ビジネスを始めたいけど、“営業感”が苦手で踏み出せません」
「商品やサービスを売るって、なんだか押しつけがましい気がして…」
こんな悩みを抱えている人は、意外なほど多いものです。
起業というと「モノを売る」「サービスを売る」という“営業”のイメージが先行します。
でも、実際のところ、売る=無理に押しつけることではありません。
本来の“売る”とは、目の前の人の悩みを解決する手段を届けること。
つまり、「売ること」は「助けること」になり得るのです。
この記事では、「売るのが苦手」な人でも自然体で続けられる、“売る=助ける”スタイルの起業法についてご紹介します。
「売る=迷惑」と感じてしまう理由
まず私たちが「売ること」に抵抗を感じてしまう背景には、以下のような思い込みがあります。
・売り込み=押し売り
・営業=強引に勧めること
・商品を出す=相手の時間を奪うこと
このように、“売る”という行為が、どこか相手に負担をかける行動のように捉えられているのです。
でも、実際にはどうでしょうか?
・自分に合った整体に出会えて、肩こりが改善した
・理解ある転職エージェントに出会って、理想の職場が見つかった
・悩みをわかってくれるカウンセラーと話して、前向きになれた
こうした“誰かに救われた体験”の裏には、必ず「価値ある提案を受けた経験」があるはずです。
つまり、売ることは「押しつけること」ではなく、「役立つものを必要な人に届ける行為」なのです。
「売ること=助けること」になるビジネスの共通点
では、“売る=助ける”が成り立っている起業には、どんな特徴があるのでしょうか?
主な3つの共通点を紹介します。
① 自分自身の体験から生まれている
「昔、自分が悩んでいたこと」「乗り越えた経験」が土台になっているサービスは、共感力と説得力が違います。
・ダイエットが続かなかった人が提供する“挫折しない習慣化サポート”
・HSP気質で悩んできた人による“やさしい働き方設計”
・子育てに疲れた経験をもとにした“ママ向け癒し講座”
こうしたサービスは、単なる“売り物”ではなく、誰かの痛みを理解した上での“寄り添い”がある。
だからこそ「売っている」感覚ではなく、「助けている」感覚で届けられるのです。
② 見込み客との“対話”からつくられている
「こういうサービスを作ったから、買ってください」ではなく、「今、どんなことに困っていますか?」「どうなりたいですか?」という対話の中から生まれた商品は、自然と“役立つもの”になります。
売ることが押しつけにならないのは、相手の声を聴いてから提案するから。
これが、「助ける」感覚と直結します。
③ 商品=解決の手段である
本当に価値のあるビジネスは、「モノを売る」のではなく、「未来を売っています」。
・痛みがなくなる未来
・自信を取り戻せる未来
・毎朝スッキリ目覚められる未来
これらを実現するための手段として、サービスや講座、サポートがある。
だから「買ってもらう」ことは、「その未来に一歩踏み出すお手伝いをする」ことと同じなのです。
「売るのが怖い」から抜け出す3つの思考法
① 商品は“お願い”ではなく“提案”
「もしよかったら買ってください…」とお願いするような気持ちになるのは、自信がないからではなく、提供する側が“対等でない”感覚になっているからです。
本来、サービスとは「こうすれば、今の課題が解決できますよ」という提案行為です。
必要かどうかを判断するのは相手。だからこそ「売り込み」ではなく「選択肢の提供」だと捉えましょう。
② 「価値提供の場」としての発信を意識する
いきなり“売る”ことを始めるのは難しくても、“知識や経験をシェアする”ことなら、すぐにできます。
SNSやブログ、メルマガなどで、
・過去に自分が悩んだこと
・今役立っている考え方
・効果があった行動のコツ
などを発信することで、信頼が蓄積されていきます。
その結果、「もっと深く知りたい」「個別に相談したい」と声をかけてもらえることも少なくありません。
③ 「感謝される販売体験」を増やす
初めてサービスを提供するときは、モニターや体験セッションでも構いません。
そこで「ありがとう、すごく助かりました」と言われたとき――
それが「売る=助ける」を体感する瞬間です。
この実感があると、自信が芽生え、「売ること」への抵抗が少しずつほどけていきます。
ビジネスは“価値交換”である
「売るのが苦手」という人は、誠実さや思いやりのある人です。だからこそ、“売らない起業”ではなく、“心から届けたいものを届ける起業”が向いています。
・あなたの経験に救われる人がいる
・あなたの言葉で前に進める人がいる
・あなたのサービスで笑顔になれる人がいる
それは、お金を受け取るに値する、立派な「価値提供」です。
売ることは、助けること。自信がなくても、まだ名乗れなくても、今日から“届ける一歩”を始めてみてください。
そこから、あなたのビジネスが自然に育っていきます。