「これは私だけが感じていることかもしれない」
「話すほどのことじゃないし、誰の役にも立たないだろう」
「こんな体験、恥ずかしくて言えない」
そう思って、自分の過去や体験を心の奥にしまい込んでいる人は少なくありません。
けれど、いま私たちが生きているこの時代は――“誰にも話していなかった体験”が、誰かにとっての希望やヒントとなり、やがて仕事へと変わる可能性を持った時代です。
ビジネスやキャリアをつくるうえで、「人よりすごい実績」や「完璧なスキル」が必要だったのは、もう過去の話。これからの時代に求められるのは、“リアルな経験に基づいた知恵”と、“等身大の共感”です。
今回は、「なぜ、自分の体験にこそ仕事の種があるのか?」という視点から、過去を価値に変えるヒントをお伝えします。
「専門家」より「経験者」に惹かれる時代
昔は、“何かを教える”ためには、その道のプロである必要がありました。資格、学歴、権威――そうしたものが信用の源でした。
しかし今、多くの人がネットを通して情報発信できるようになり、「専門家ではないけれど、リアルな体験をもとに語れる人」への信頼が高まっています。
たとえば:
不妊治療の経験をブログに綴ることで、多くの女性の心を救っている人
うつ病からの回復過程をnoteで発信し、同じように悩む人の相談役になっている人
親の介護を通して学んだことをセミナーにしている人
HSPとしての気づきをもとに、居心地のいい働き方を支援する人
これらはすべて、「かつて悩んだ当事者」であることが信頼と説得力の源になっている例です。
つまり、「過去の自分」と同じ悩みを持つ誰かにとって、あなたの体験は“価値ある教材”になるのです。
「話してこなかったこと」にこそ、誰かの希望がある
実は、人は誰しも「他人と共有されていない時間」を持っています。
誰にも相談できなかったコンプレックス
一人で抱え込んでいた育児や仕事のつらさ
病気や挫折、失敗から立ち上がった経験
家族、学校、職場などで感じた違和感や苦しさ
それらは、表に出してこなかったからこそ、「語り口」がまだ世の中に存在していないテーマでもあります。
そして、同じような思いを抱えている人にとって、それを初めて言語化してくれる“あなたの言葉”は、かけがえのない光になるのです。
「仕事にする」とは、お金に変えることだけじゃない
ここで一度、「仕事にする」の定義を広げてみましょう。
・noteで有料記事を書く
・オンライン講座をつくる
・体験をベースにした相談サービスを始める
・コミュニティを立ち上げ、仲間を集める
・コラムやエッセイを連載する
・イベントや読書会を開催する
これらすべてが、自分の体験をもとにした“仕事”です。何万人に届かなくても、たったひとりの心を動かせば、それはもう価値あるアウトプットです。
特にこれからの時代は、“小さな影響力”の積み重ねが、大きな信頼を生み出す時代です。量よりも深さ。規模よりも関係性。だからこそ、ありふれた自分の物語にも、堂々と価値を見出していいのです。
体験を「仕事の種」に変える3つの視点
それでは、実際にどうすれば“誰にも話してこなかった体験”を仕事のタネに変えることができるのでしょうか?以下の3つの視点で棚卸しをしてみてください。
①「過去の自分」に寄り添う
まずは、自分の中の「かつての悩んでいた自分」を思い出してみましょう。
どんなことで苦しかった?
何に悩んでいた?
どんな言葉をかけてもらいたかった?
どうして立ち直れた?
今の自分なら、どんなアドバイスをする?
この過去の自分こそが、“これから出会うお客さま”そのものです。
②「誰かの問い」に応える形にする
人は、自分のためより「誰かの役に立つ」と感じるときに、よりエネルギーを出せる生き物です。
たとえば:
「同じことで悩んでいる人がいたら、どう答える?」
「私の経験は、どんな問いへの答えになる?」
「あのときの自分が一番欲しかった情報って何?」
そうやって“問いへの答え”というかたちで編集することで、体験は知恵に変わっていきます。
③「あなたにしか語れない文脈」を大事にする
同じような失敗や苦しみを経験した人は世の中にたくさんいるかもしれません。でも、「その背景」や「選んだ道」「感じたこと」は、あなただけのもの。
たとえば:
一人っ子×介護経験者
体育会出身×HSP気質
シングルマザー×在宅フリーランス
ADHD診断後に見つけた生きやすさ
その組み合わせの“文脈”こそが、唯一無二のメッセージとなり、ニッチな共感を生みます。
体験が仕事になる時代 | まとめ
私たちは、つい「話すほどのことじゃない」「大したことない」と、自分の体験を過小評価してしまいがちです。
でも、本当に価値があるのは、“誰も語ってこなかった等身大の物語”です。
恥ずかしさや怖さの裏にあるのは、あなただけの宝物。
もしあなたが、過去に少しでも「こんなこと、誰にも言えない」と思った経験があるなら、それこそが、誰かを救う力を持っているかもしれません。
どうか、「そんな話、仕事になるの?」という疑いではなく、「この話、誰かの力になるかも」という希望の視点で、自分の物語に目を向けてみてください。