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起業ではなく生活設計として働き方を考える

2025年6月27日

「自分らしい働き方がしたい」
「時間に縛られず、もっと自由に生きたい」
「だけど、起業ってハードルが高そう…」

近年、SNSやメディアで“起業”や“フリーランス”という言葉が身近になったことで、「いつか自分も」と考える人は増えてきました。

でもその一方で、「ビジネスモデル」「営業」「売上目標」など、聞き慣れない言葉に戸惑いを感じ、踏み出せずにいる人も多いのが実情です。

そんなときにぜひ考えてみてほしいのが、“起業”ではなく“生活設計”として働き方を考えるという視点です。

ビジネスの世界に飛び込む、というよりも、自分の理想の暮らしから逆算して、“必要な働き方”を組み立てていく。

この考え方が、これからの時代にふさわしい「身の丈の起業スタイル」をつくる土台になります。

起業=“特別なこと”じゃなくていい

「起業」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?

・オフィスを構えて
・事業計画を練って
・資金を借りてスタートする

そんな“大きなこと”に見えるかもしれません。でも実際には、もっと小さくて、シンプルでいいのです。

・好きなハンドメイド作品をネット販売する
・知識を活かして、SNSで発信しながら講座を開く
・自分の空いた時間で、スキルを提供する

これらも立派な起業です。

ポイントは、「ビジネスを大きくすること」ではなく、自分が理想とする暮らしに合った働き方を設計することにあるのです。

生活設計から働き方を決めるという発想

たとえば、こんなふうに考えてみましょう。

・家族との時間を最優先にしたい → 午前だけ働ける仕事
・心にゆとりを持ちたい → 月収は控えめでも、穏やかに働く
・子どもの成長に寄り添いたい → 時間と場所の自由が必要
・旅しながら暮らしたい → オンラインで完結する仕事にする

このように、“働く”を中心に置くのではなく、“暮らし”を中心にして、そのために必要な働き方を選ぶ。

この順序を間違えなければ、たとえ収入が大きくなくても、自分にとって満ち足りた働き方が見つかります。

「好きなことを仕事に」は目的じゃなく、手段

よく耳にする「好きを仕事に」という言葉。これも、無理に「起業しなきゃ」と気負う原因になることがあります。

でも実は、「好きなこと」は、人生を豊かにするツールであって、必ずしも“お金に変えなきゃいけない”ものではありません。

逆に、「生活を支える収入源」と「好きなこと」をゆるやかに分けて考える方が、ストレスなく継続できる場合もあります。

たとえば:

・平日は安定した在宅ワーク → 生活のベース
・土日は趣味のイラスト販売 → 好きの表現と小さな収入源

このように、“お金を稼ぐ手段”と“心が満たされる手段”を上手に掛け合わせていくことで、持続可能な働き方が見えてきます。

自分の「時間価値」を見直してみる

生活設計で大切なのは、「自分にとっての時間の価値」を見つめ直すことです。

・週に何時間働きたい?
・理想の1日はどんな流れ?
・1時間あたり、どれくらいの収入があれば満足?

これらを紙に書き出すだけで、「やるべき仕事の量」や「収入目標」が自然と見えてきます。

たとえば、月に10万円稼ぎたいとしたら…

・週2日×1日5時間=月40時間
・時給換算で2,500円程度のサービス単価が目安に

こんなふうに、暮らしを中心にした数字設計をしてみると、「何をするか」も「どう届けるか」も無理なく決められるようになります。

スモールステップで“暮らし起業”を始めよう

最後に、「生活設計としての起業」を始めるためのスモールステップを3つご紹介します。

①「自分の暮らしに合った働き方」の理想を言語化する
「いつ・どこで・どんな風に働きたいか?」を、紙に書き出してみてください。
具体的なほど、働き方の選択肢がクリアになります。

② まずは“月1万円”の収入をつくってみる
副業レベルでOK。
コンテンツ販売、スキルシェア、ハンドメイド、文章作成…なんでも構いません。
「小さくても、自分の力でお金を生み出す体験」が、次の一歩を後押ししてくれます。

③ 継続しやすいペースを最優先する
短期的に稼ぐよりも、長期的に自分らしく続けられることを重視しましょう。
毎週2時間の積み重ねが、1年後には大きな“自分資産”になります。

「ビジネス」ではなく「暮らし」を育てよう

起業は、何も“経営者になること”ではありません。

自分の暮らしを設計し、そこに合った働き方を組み込むという選択です。

・無理なく、背伸びせず
・誰かのペースではなく、自分のペースで
・自分と、大切な人を犠牲にしない働き方を選ぶ

そんな姿勢で始めた“暮らし起業”こそが、これからの時代にもっとも持続可能で、しなやかに生き抜いていける働き方なのではないでしょうか。

あなたの理想の「1日の過ごし方」から、すべては始まります。

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