「売上はそこそこあるのに、なぜか余裕がない」
「毎日忙しいのに、手応えが薄い」
こう感じている経営者は少なくありません。その原因の多くは、自分自身の“時給”を把握していないことにあります。
時給というと、アルバイトや会社員の指標だと思われがちですが、実は経営者こそ真っ先に向き合うべき数字です。
経営者が絶対にやるべき「時給の見直し」
なぜ経営者に「時給」の視点が必要なのか
経営者は、売上・利益・成長など、全体の数字には敏感です。
しかし、自分の時間がどれだけの価値を生んでいるかを、具体的に把握していないケースが非常に多いのです。
例えば、
月の利益が50万円
働いている時間が250時間
この場合、経営者の時給は2,000円です。この数字を見て、どう感じるでしょうか。
忙しさ=価値ではない
多くの経営者が陥る罠は、「忙しいほど頑張っている」という思い込みです。
しかし、ビジネスにおいて重要なのは、どれだけの時間を使ったかではなく、どれだけの価値を生んだかです。
時給の低い仕事を長時間やるほど、経営者としての価値は下がっていきます。本来、経営者の仕事は「作業」ではなく、「判断」と「設計」です。
経営者がやりがちな“低時給タスク”
以下に当てはまる業務が多いほど、時給は下がりやすくなります。
・自分でやらなくてもいい事務作業
・慣れているからという理由だけの作業
・売上に直結しない細かい調整
・完璧を求めすぎる修正作業
これらは一つ一つは小さく見えますが、積み重なると大きな時間ロスになります。
時給を見直すためのシンプルな方法
まずは、次の計算をしてみてください。
① 月の利益 ÷ ② 月の労働時間 = 経営者時給
この数字を出した上で、次の問いを投げかけます。
「この時給でやるべき仕事か?」
「もっと高い価値を生む使い方はないか?」
この問いを持つだけで、時間の使い方は変わり始めます。
時給を上げるためにやるべき3つのこと
① 手放す
まずは、やらなくてもいい仕事を手放します。外注、ツール化、簡略化。完璧を手放すことが、時給アップの第一歩です。
② 集中する
売上や利益に直結する仕事に、時間を集中させます。商品設計、価格設定、顧客との対話など、経営者にしかできない仕事を優先します。
③ 単価を上げる
時間を増やすのではなく、1時間あたりの価値を上げる視点を持ちます。値上げや高付加価値化は、労働時間を増やさずに時給を上げる有効な手段です。
「高時給=楽をする」ではない
時給を上げるというと、「手を抜くこと」と誤解されがちですが、実際は逆です。
より本質的で、責任の重い判断に集中するということです。頭を使い、考え、決断する。そのための余白を作ることが、経営者の仕事なのです。
時給を見直すと、経営の質が変わる
自分の時給を意識し始めると、次のような変化が起こります。
・時間に対する感覚が鋭くなる
・「なんとなくの仕事」をしなくなる
・本当にやるべきことが明確になる
・心と時間に余裕が生まれる
これは売上以上に、経営者としての持続性を高めてくれます。
経営者の時給は“経営の鏡”
経営者の時給は、そのまま経営の状態を映し出します。忙しいのに苦しいなら、まずは数字として向き合ってみることです。
時間は有限です。だからこそ、どの仕事に、どれだけの価値を与えるのかを、自分で決める。「時給の見直し」は、経営者が最初に取り組むべき経営改善です。