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肩書きにとらわれず、仕事を語る方法

2025年8月3日

「あなたは何をしている人ですか?」

こう聞かれて、すぐに答えられますか?
多くの人がこの問いに戸惑います。特に起業初期の人や、パラレルキャリアを歩む人、自分らしい働き方を模索している人ほど、「肩書きでは説明しきれない仕事」に取り組んでいることが多いのではないでしょうか。

ですが、自己紹介や発信では、どうしても「一言で伝わるわかりやすさ」が求められます。そこで多くの人が、「コーチです」「デザイナーです」「講師です」と、既存の“わかりやすい肩書き”に寄せてしまうのです。

けれども今、時代は変わってきています。
“職種”より“姿勢”や“価値観”に共感して、仕事が生まれる時代へ。
つまり、「肩書き」で差別化するのではなく、「あり方」でつながる時代になっているのです。

なぜ肩書きでは伝わらないのか?

SNSでもWebサイトでも、自己紹介の冒頭でつい「○○です」と名乗ってしまいがちです。しかし、“〇〇”という言葉自体が、人によってイメージが大きく異なるもの。

たとえば、「コーチ」と名乗っても、ビジネスコーチ、ライフコーチ、子育てコーチなど種類は多岐にわたり、かつその関わり方やスタンスも人それぞれ。肩書きだけでは、本当に自分がどんな仕事をしているのか、相手には伝わらないのです。

むしろ、既存の枠に自分を押し込めてしまい、本来の仕事の魅力が伝わりにくくなることも。だからこそ、これからは「肩書きに頼らず、自分の仕事を語る力」が重要になってきます。

「仕事を語る」ために大切な3つの視点

では、肩書きではなく、どのように自分の仕事を語ればいいのでしょうか。ポイントは、「何をやっているか」ではなく「なぜそれをやっているか」「どんな人にどんな変化を届けているか」という、“背景や想い”を伝えることです。

1. 「なぜ、それをやるのか?」を語る
人は“what(何をやっているか)”ではなく、“why(なぜそれをやるのか)”に共感します。たとえば、ただ「SNS運用のサポートをしています」と言われるよりも、

「過去に自分自身が集客に悩んで苦しかった経験があり、今は同じように迷っている人に“自分らしく発信できる喜び”を届けたいと思って活動しています」

と語られたほうが、心が動くはずです。
あなたの中にある“動機”や“原体験”が、最も力のある自己紹介になるのです。

2. 「どんな人に、どんな変化を起こしているか?」を語る
もう一つの視点は、仕事の「効果」や「価値」を伝えること。自分の仕事が、どんな人に、どんな変化や感情をもたらしているかを具体的に語ることで、聞き手の中にイメージが広がります。

たとえば、「ママ向けに講座をしています」ではなく、

「自分のことを後回しにしてきたママたちが、自分を取り戻し、やりたいことに一歩踏み出すサポートをしています」

と伝えると、「あ、自分のことかも」と共感してもらいやすくなります。

3. 「どんな世界をつくりたいのか?」を語る
最後に、“自分のビジョン”を語ることも大切です。仕事とは単なる手段であり、ゴールはもっと先にある理想の世界。そのビジョンに共鳴する人が、あなたのまわりに集まってきます。

「一人ひとりが『私は私のままでいい』と思える社会にしたい」
「働くことに疲れた人が、“自分サイズの仕事”をつくれるような世界にしたい」

そんなふうに、想いから語ることで、ただの仕事紹介ではなく、「共感の磁場」が生まれていきます。

肩書きは“後からついてくる”もの

肩書きとは、職業を示す名刺のようなもの。でも名刺は、会話を始めるきっかけでしかありません。大事なのは、「この人、面白いな」「もっと話を聞きたいな」と感じてもらえることです。

そのためには、「私は◯◯です」と完結するよりも、「私はこんな経験をして、今はこんな人たちの力になりたいと思って活動しています」と、ストーリーを添えて語るほうが、ずっと印象に残ります。

肩書きに自信がない人ほど、実はチャンスです。なぜなら、自分で定義できるから。世の中にない肩書きを、自分でつくることもできます。

たとえば、

“心の回復を手伝うグッドバイブス屋”

“人の中にある未発掘の魅力を掘り起こす伴走者”

“言葉の整理整頓をする言語スタイリスト”

肩書きは、誰かに与えられるものではなく、自分の「仕事観」や「信念」から育てていくものなのです。

「何をしているか」より「なぜやっているか」

これからの時代、「何の仕事をしているか?」よりも、「どんな人に、どんな想いで関わっているか?」が、仕事の魅力になります。特に個人で働く人にとっては、肩書きは“安心材料”ではなく、“制限”にもなり得ます。

だからこそ、既存のラベルにとらわれず、「自分の言葉」で仕事を語ることが、これからの信頼構築には欠かせません。

名刺の肩書きより、あなたの物語を。

スキルや資格より、あなたの視点と世界観を。

そう語れる人が、選ばれる時代になってきています。

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