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業務改善に繋がる仕事の振り返り方

2025年4月5日

日々の業務に追われ、なかなか仕事が改善しないとお悩みではありませんか?

この記事では、業務改善に繋がる効果的な仕事の振り返り方について、その重要性から具体的な方法、便利なツール、代表的なフレームワークであるPDCAサイクル、KPT法、YWT法の特徴や選び方、そしてKPT法を使った実践的な進め方などをご紹介します。

 

業務改善に繋がる仕事の振り返り方

1. なぜ仕事の振り返りが必要なのか?

仕事で成果を上げるためには、日々の業務をただこなすだけでなく、定期的に振り返りを行い、改善していくことが重要です。

振り返りは、自身の行動や結果を客観的に評価し、成功体験や失敗から学びを得るプロセスです。 このプロセスを経ることで、業務の質を高め、生産性を向上させ、ひいてはキャリアアップにも繋がるのです。

1.1 振り返りのメリット

仕事の振り返りには、具体的に以下のようなメリットがあります。

業務改善につながる

振り返りによって、業務上の問題点や非効率な部分を明確にできます。問題点を把握することで、具体的な改善策を立案し、実行に移すことができるのです。

例えば、タスク管理の方法を見直したり、ツールを導入することで、業務プロセスを最適化し、生産性を向上させることができます。

生産性向上

業務改善によって無駄な作業を減らし、限られた時間でより多くの成果を上げられるようになるため、生産性向上に繋がります。 また、振り返りを通して、自身の強みや得意な分野を再認識することで、業務への集中力やモチベーションを高めることにも繋がります。

モチベーションアップ

成功体験を振り返ることで、自信がつき、モチベーションが向上するという効果があります。

また、失敗から学びを得ることで、次回への改善意欲が湧き、前向きに業務に取り組むことができるようになります。

1.2 振り返りを怠るとどうなるか?

振り返りを怠ると、同じミスを繰り返したり、非効率な作業を続けてしまう可能性があります。

また、自身の成長が停滞し、キャリアアップの機会を逃してしまうかもしれません。

以下に、振り返りを怠った場合に起こりうる問題点をまとめました。

問題点詳細
成長の停滞成功や失敗から学ばないため、スキルアップや知識の向上が難しくなります。
ミスの増加問題点を認識しないため、同じミスを繰り返す可能性が高くなります。
生産性の低下非効率な作業を続けるため、生産性が低下し、成果が上がりにくくなります。
モチベーションの低下改善が見られないため、モチベーションが低下し、業務に集中できなくなります。
キャリアアップの停滞スキルアップや成果が見られないため、キャリアアップの機会を逃す可能性があります。

振り返りは、自身の成長だけでなく、チームや組織全体の成果向上にも繋がる重要な要素です。

人材育成の観点からも、振り返りを習慣化し、継続的に改善していくことが重要と言えるでしょう。

2. 効果的な仕事の振り返り方

仕事の振り返りは、ただ単に「今日は何をしたか」を思い出すだけではありません。業務改善、生産性向上、そしてモチベーションアップに繋げるためには、効果的な振り返り方を実践する必要があります。そのために有効なのが、フレームワークの活用と適切なツールの選定です。

2.1 代表的なフレームワーク

仕事の振り返りに活用できるフレームワークは複数存在し、それぞれに特徴があります。代表的なフレームワークとして、PDCAサイクル、KPT法、YWT法などが挙げられます。

2.1.1 PDCAサイクル

PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのプロセスを循環させることで、継続的な改善を目指すフレームワークです。

業務における目標設定から、具体的な行動、結果の評価、そして次の行動への改善まで、一連の流れを管理することができます。

2.1.2 KPT法

KPT法は、Keep(継続すること)、Problem(問題点)、Try(次に試すこと)の3つの観点から振り返りを行うフレームワークです。

シンプルで使いやすく、チームでの振り返りに適しています。

2.1.3 YWT法

YWT法は、Yesterday(昨日したこと)、Work Today(今日すること)、Trouble(困っていること)の3つの観点から振り返りを行うフレームワークです。

日々の業務の進捗管理や問題解決に役立ちます。日報作成などにも活用できます。

2.2 フレームワークの選び方

どのフレームワークが最適かは、チームの規模や目的、そして個人の仕事のスタイルによって異なります。

以下に、フレームワークの選び方についてまとめた表を示します。

フレームワークメリットデメリット適している状況
PDCAサイクル
  • 継続的な改善が可能
  • 目標達成に効果的
  • 複雑な場合、運用が難しい
  • 時間がかかる場合がある
  • 中長期的な目標達成
  • 大きなプロジェクト
KPT法
  • シンプルで分かりやすい
  • チームでの振り返りに最適
  • 問題の深堀りが難しい場合がある
  • 短期的な振り返りに偏る可能性がある
  • チームでの振り返り
  • 短い期間のプロジェクト
YWT法
  • 日々の進捗管理に最適
  • 問題の早期発見に繋がる
  • 長期的な視点が持ちにくい
  • マンネリ化しやすい
  • 日々の業務
  • ルーティンワークが多い仕事

上記を参考に、自身の状況に合ったフレームワークを選択し、効果的な仕事の振り返りを実践しましょう。

どのフレームワークを使う場合でも、振り返りの時間を定期的に確保し、記録を残すことが重要です。

また、振り返りを通して得られた気づきや教訓を、次の行動に活かすことで、さらなる業務改善に繋げることができます。

3. KPT法による仕事の振り返り

KPT法は、業務改善において非常に効果的な振り返りの手法です。チームや個人で仕事のプロセスや結果を評価し、改善点を明確にすることで、生産性向上やモチベーションアップに繋がります。

KPTは「Keep」「Problem」「Try」の頭文字から成り立っています。

3.1 KPT法とは?

KPT法は、シンプルながらも強力な振り返りフレームワークです。Keep(継続すべきこと)Problem(問題点)Try(次に試すべきこと)の3つの観点から仕事やプロジェクトを分析します。この手法は、チームでの振り返りに特に有効で、メンバー間の情報共有や合意形成を促進する効果があります。個人の振り返りにも活用できます。アジャイル開発のような反復的なプロジェクト管理手法にも適しています。

3.2 KPT法の進め方

KPT法は、以下の手順で進めます。

  1. 振り返りの対象を明確にする(例:特定のプロジェクト、期間、業務など)
  2. Keep, Problem, Tryのそれぞれの項目について、付箋やホワイトボードなどを用いてアイデアを出し合う。
  3. 各項目について議論し、優先順位をつける。
  4. Tryで決定したアクションを実行し、次の振り返りに繋げる。

3.2.1 Keep:良かった点

現状維持すべき良い点、うまくいった点、効果的だった点などを洗い出します。成功体験を共有することで、チームのモチベーション向上に繋がります。 例えば、

  • チームワークが良かった
  • 顧客とのコミュニケーションがスムーズだった
  • 新しいツールを導入して効率が上がった

3.2.2 Problem:問題点

改善すべき問題点、課題、うまくいかなかった点などを洗い出します。問題点を明確にすることで、具体的な改善策を検討することができます。 例えば、

  • スケジュール管理が甘かった
  • 情報共有が不足していた
  • 顧客からの要望への対応が遅れた

3.2.3 Try:改善策

Problemで挙げた問題点に対する改善策、次に試すべきことなどを具体的に決めます。アクションプランを明確にすることで、実行に移しやすくなります。 例えば、

  • タスク管理ツールを導入する
  • 定例ミーティングで進捗状況を共有する
  • 顧客対応マニュアルを作成する

Tryで設定した項目は、次のKPT法におけるKeepの候補となります。継続的に改善サイクルを回すことで、業務改善効果を高めることができます。

3.3 KPT法を実施する上でのコツ

KPT法を効果的に実施するためのコツを以下にまとめます。

コツ詳細
少人数で実施する5人程度の少人数で実施することで、活発な議論を行いやすくなります。大人数になる場合は、グループを分けて実施することを検討しましょう。
時間を制限する1時間以内を目安に時間を制限することで、集中力を維持し、効率的に進めることができます。
気軽に実施する形式ばらずに気軽に実施することで、心理的なハードルを下げ、継続的に実施しやすくなります。
ファシリテーターを置く議論が停滞した場合に、ファシリテーターが進行役を務めることで、スムーズな議論を促進することができます。
可視化するホワイトボードや付箋、オンラインツールなどを活用して可視化することで、参加者全員が情報を共有しやすくなり、議論が活性化します。
具体的な行動に落とし込むTryで設定した項目は、具体的な行動に落とし込むことで、実行に移しやすくなります。「誰が、いつまでに、何を」を明確にしましょう。
定期的に振り返る1週間ごと、1ヶ月ごとなど、定期的に振り返りを実施することで、継続的な改善につなげることができます。

これらのコツを参考に、KPT法を効果的に活用して、業務改善に繋げましょう。 KPT法による振り返りで「問題点」を「改善策」に昇華させることで、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献することができます。

4. 仕事の振り返りに役立つツール

仕事の振り返りを効果的に行うためには、適切なツールを活用することが重要です。ツールを使うことで、振り返りの内容を記録・整理しやすくなり、後から見返す際に役立ちます。

また、チームで振り返りを行う際に、情報共有や議論をスムーズに進めることも可能です。以下では、仕事の振り返りに役立つ代表的なツールを3つのカテゴリーに分けてご紹介します。

4.1 メモ帳アプリ

手軽に振り返りの内容を記録したい場合に最適なのがメモ帳アプリです。スマートフォンやパソコンに標準搭載されているメモ帳機能でも十分活用できますが、より本格的に振り返りをしたい場合は、EvernoteやGoogle Keepなどのメモアプリの利用がおすすめです。これらのアプリは、テキストだけでなく、画像や音声、Webページのリンクなどを記録できるため、振り返りの内容をより豊かにすることができます。また、タグ付けや検索機能も充実しているため、過去の振り返りを簡単に探し出すことが可能です。特にEvernoteは、Webクリッパー機能を使ってWebページをスクラップしたり、音声メモを録音したりすることもできるため、振り返りの際に役立つ情報をまとめて保存しておくのに便利です。

4.2 タスク管理ツール

振り返りと合わせてタスク管理も行いたい場合は、タスク管理ツールの活用が効果的です。TrelloやAsana、Backlogなど、様々なタスク管理ツールがありますが、これらのツールは、タスクの進捗状況を管理するだけでなく、コメント機能を使ってチームメンバーと情報共有や議論をすることも可能です。振り返りの中で出てきた課題や改善策をタスクとして登録し、担当者や期限を明確にすることで、具体的な行動に繋げることができます。また、タスク管理ツールの中には、ガントチャート機能を搭載しているものもあり、プロジェクト全体の進捗状況を視覚的に把握するのにも役立ちます。例えばAsanaは、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで確認できるため、チームで協力して業務を進める際に便利です。

4.3 グループウェア

チーム全体の業務改善を目的とした振り返りを行う場合は、グループウェアの活用が不可欠です。グループウェアとは、社内ポータル、掲示板、ワークフロー、スケジュール管理、設備予約、文書管理など、社内業務に必要な機能をまとめて提供するツールのことです。代表的なグループウェアとしては、desknet's NEO、サイボウズ Office、Google Workspace などが挙げられます。これらのツールは、情報共有やコミュニケーションを円滑にするだけでなく、ワークフロー機能を使って業務プロセスを可視化・自動化することも可能です。振り返りの中で明らかになった非効率な業務プロセスを改善するために、ワークフローを見直すことで、業務効率化を図ることができます。以下に、代表的なグループウェアと、振り返りに活用できる機能をまとめました。

グループウェア名振り返りに活用できる機能
desknet's NEO掲示板、ワークフロー、スケジュール管理、ファイル共有
サイボウズ Office掲示板、ワークフロー、スケジュール管理、ファイル共有
Google WorkspaceGoogle ドキュメント、Google スプレッドシート、Google スライド、Google Meet、Google Chat

これらのツール以外にも、振り返りの目的に合わせて様々なツールを活用することができます。例えば、マインドマップツールを使って思考を整理したり、議事録作成ツールを使って議論の内容を記録したりすることも効果的です。

重要なのは、ツールの機能を最大限に活用し、振り返りをより効果的に行うことです。

自分に合ったツールを見つけて、継続的な業務改善に繋げていきましょう。

 

業務改善に繋がる仕事の振り返り方 | まとめ

この記事では、業務改善に繋がる仕事の振り返り方について解説しました。仕事の振り返りは、業務改善、生産性向上、モチベーションアップに繋がります。

逆に振り返りを怠ると、同じ問題の繰り返しや非効率な作業につながる可能性があります。

効果的な振り返りには、PDCAサイクル、KPT法、YWT法などのフレームワークを活用することが重要です。

それぞれのフレームワークの特徴を理解し、自身の状況に合ったものを選びましょう。

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