終身雇用という考え方が当たり前ではなくなった昨今ですが、働き方改革などの影響もあり多様な働き方が認められる世の中になったような気がします。

その中で、非正規雇用の形態でアルバイトとパートがあります。

学生時代などはアルバイトと呼んでいた気がしますが、大人になるとパートという呼び方もすると思います。

この二つの違いはいったい何なのでしょうか。日本における「アルバイト」と「パート」の違いについて、解説したいと思います。

アルバイト

アルバイトは、日本の労働市場における非正規雇用の一形態で、主に短期間や不定期に働く労働者を指します。
アルバイトの特徴は以下の通りです。

雇用期間と勤務形態
アルバイトは一般的に短期間の契約が多く、季節やイベントに応じた雇用が典型的です。学生が夏休みの間だけ働く、年末年始やお祭りなどの特定のイベントのために雇用されるなどの例があります。

労働時間
労働時間は通常、1日の勤務時間が短く、週に数時間から数日の勤務が一般的です。シフト制で柔軟に働くことが可能であり、学業や主婦業などとの両立がしやすいことが特徴です。

待遇と福利厚生
アルバイトは時給制で給与が支払われることが多く、正社員やパートタイマーに比べて福利厚生が限られています。社会保険や雇用保険への加入がない場合が多いです。しかし、勤務時間や条件によっては社会保険に加入することもあります。

職務内容
仕事内容は広範にわたりますが、専門性を要求されることは少なく、多くの場合、簡単な作業や接客などが中心となります。

採用プロセス
採用プロセスは比較的簡易で、短期間で業務に就ける即戦力が求められることが多いです。

パート

パートタイム労働者（パート）は、正社員ではないが、アルバイトよりも安定した雇用形態を指します。
パートの特徴は以下の通りです。

雇用期間と勤務形態
パートは比較的長期間にわたって安定して働くことが特徴です。定期的な勤務が求められ、長期にわたる契約が一般的です。

労働時間
労働時間は定期的で、週に数日から毎日数時間働く形態が一般的です。アルバイトよりも定期的な勤務が求められることが特徴です。

待遇と福利厚生
パートタイマーは、アルバイトに比べると福利厚生が充実している場合があります。勤務時間や契約内容によっては、社会保険や雇用保険に加入することが可能です。

職務内容
職務内容はアルバイトと重なる部分がありますが、専門性を要する仕事や長期にわたるプロジェクトに従事することもあります。

採用プロセス
採用プロセスでは、アルバイトよりも選考が厳しい場合があり、職務経験や技能を重視されることが多いです。

アルバイトとパートの境界線

アルバイトとパートの境界は必ずしも明確ではなく、企業の方針や業務内容、労働者のニーズによって、これらの区分は流動的になることがあります。例えば、アルバイトで始めた仕事が長期化し、パートとしての待遇を受けるケースもあります。

また、日本の労働法では、アルバイトとパートタイマーを明確に区分する法的な定義は存在しません。したがって、これらの用語は一般的な理解に基づいたものであり、個々の雇用契約の内容によって異なる場合があります。雇用形態に関する具体的な条件や権利については、雇用契約や企業の規定を参照することが重要です。

労働市場における影響

アルバイトやパートの働き方は、日本の労働市場において重要な位置を占めています。

特に、女性や学生、高齢者などが柔軟に働ける選択肢として、これらの雇用形態は広く利用されています。

しかし、非正規雇用であるこれらの形態は、経済的な不安定さやキャリア形成の困難さといった問題をもたらすこともあります。

そのため、労働市場の健全な発展のためには、アルバイトやパートの労働者に対する適切な待遇とキャリア支援が重要な課題となっています。