仕事でしか着ることがないようなスーツを購入した場合、経費にしたい気持ちは分かります。
どちらかと言うと、サラリーマンでその傾向は強いでしょう。
営業など日常業務で利用するスーツですが、基本的に経費としては認められていないことがほとんどです。
サラリーマンには給与所得控除というものがあり、この給与所得控除というのはまさにこのスーツ代のような必要経費を予め差し引きますという制度なのです。
年収が500万円であれば、給与所得控除は150万円近くになります、これだけ予め引いてくれるというありがたい制度なのです。
一方、個人事業主の場合は給与所得控除が適応にならず、都度経費として計上しなければいけません。
比較的使用頻度の多いスーツですが、経費計上できないものとして認識されていることが多いです。
この記事を読んだ方が良い人
- スーツ代の経費の考え方が分からない
- スーツ代を全額経費にしようと考えている
- スーツ代の仕訳が分からない
この記事ではスーツ代の経費計上についてまとめてありますので、最後までお読みいただきあなたのスーツ代を経費にできるか確認してみて下さい。
スーツ代の経費についての考え方
前述の通り、スーツは仕事でしか着ません、という個人事業主の方は経費として計上することが論理上可能です。
- 完全にプライベート用とは分けており、職場にスーツを置いている。
- プライベート用のスーツは別に用意してある。
など、明確に業務用のスーツと言えるのであれば経費として計上することが可能です。
ただし、スーツに限らずプライベートでも使えるものというのは100%経費にすることは難しいと考えるのが税務上は一般的です。
なんでだよ?仕事でしか使わないんだから100%経費に決まってる!
というお気持ちはわかりますが、その気持ちだけで全額経費にして、後から税務調査で指摘されてややこしくなる方が面倒なのです。
社会通念上スーツ代は家事按分となる、そう考えておくと良いと思います。
[st-card myclass=”” id=282 label=”” pc_height=”” name=”” bgcolor=”” color=”” fontawesome=”” readmore=”on”]
スーツ代の経費計上の方法と勘定科目
では、スーツ代の家事按分はどのように考えると良いでしょうか?
ここは、実際に使う使わないではなく、あなたが週に何日仕事をしているかどうかで考えると良いと思います。
納得できない部分もあるかもしれませんが、ここは税務署と個人事業主の双方の合意が得られるところに落としておくことが肝要です。
仕事の後、すぐにスーツを脱ぎますか?
そのまま買い物や食事に出かけていませんか?
それは、プライベートですよね?
などなど、税務署側も突っ込む術は持ち合わせていますので、ここは納得してください。
そもそもスーツ代は経費ではない、という税務署職員もいると聞きます。
では、按分割合ですが、例えば週5日働いていて、毎日スーツを着ているのであればスーツ代のうち5/7は経費として、2/7は事業主貸として経費計上するときれいです。
勘定科目は雑費でも良いですが、スーツは比較的高額になりますので、消耗品費として勘定すると良いでしょう。
スーツのクリーニング代は経費にならないのか?
クリーニング代についてもスーツ代同様に議論されるところです。
意見としては、経費ではないという意見の方が多いかもしれませんが、それもおかしな話です。
事業でしか利用していないものに対する費用ですから、経費と考えられるとする意見も多数あります。
経費の考え方からすると、クリーニング代も同様に経費であり、同様に家事按分するのが無難です。
個人事業主のスーツ代は経費になる? まとめ
- スーツは全額経費にせず、按分として考える。
- 事業用にしか使用していない証拠を複数用意しておく。
- 勘定科目は「雑費」もしくは「消耗品費」。
最後までお読みいただきありがとうございました。
スーツ代というのは判断に悩むところですが、自信をもって事業用であると言える場合は個人事業主であっても経費計上可能です。
ただし、指摘されやすい項目ですのできちんと説明できるようにしておきましょう。
少なくても、プライベートでは一切使用していないというのは最低限のラインです。
自信がない場合は個人の持ち物として経費計上は控えましょう。