インボイス制度の問題点?

つい先日、事実上の増税とも言われている、インボイス制度について弁護士、税理士、司法書士の3青年団体が制度の廃止を求める記者会見をしたというニュースをみました。

彼らの意見としては、事業者の負担だけではなく、それが消費者や労働者に転嫁される恐れがあり、社会への悪影響が懸念されるとのことでした。

法律や税の実務を担う3士業の立場からあらためて反対の姿勢を表明したことにより、世間に大きなインパクトを与えました。

 

コジカツでもインボイスについて過去にお話ししてきましたが、改めてインボイス制度のメリット、デメリットについて解説してみたいと思います。

 

インボイス制度のメリット

インボイス制度を導入することで、メリットは大きく分けて3つのメリットがあります。

電子インボイス

まずは電子インボイスに対応できることが大きいかと思います。電子インボイスを受領した場合、データで取り込み処理をするので、紙の請求書とは違い担当者による支払処理も省くことが出来ます。

またデータ保存ができるので、領収書や領収書を保険するスペースも経費も必要としないため、必要な情報をPC上で確認できます。

 

消費税を適切に計算

現在は消費税率が8%と10%で混在しているため、確定申告や仕入れ税控除を行う時には税率に分けて算出する必要がありました。

しかしインボイス制度が適用されれば、消費税率が記載されるため商品やサービスにかかった消費税を明確に把握することができます。

 

税率のミスや不正を防止できる

上記でお伝えしたように、インボイス制度では消費税額と税率が明確に記載されるので、混合する税率の記載による税率の不正や人為的なミスも防ぐことができます。

要は過剰請求や過少請求がなくなるという訳です。

 

インボイス制度のデメリット

一方ではインボイス制度にはデメリットも存在します。

 

経理業務の複雑化

インボイス制度では登録手続きや適格請求書の発行、保存業務など過度な事務負担が発生する可能性があります。反対派の方は特にこの部分を重要視しており、人的リソースの含めコスト負担も増え非効率だと考えられています。

 

消費税の控除額が減るリスク

制度を導入すれば、取引先が適格請求書発行事業者でなければ、仕入れ額控除を受けることができません。その結果、消費税の控除額が減る可能性もあります。適格請求書発行事業者になるためには、課税事業者にならなければなりません。つまり免税事業者は課税事業者になる必要がでてきて、今まで免除されていた消費税の納税義務が発生し、税負担が増え課税事業者になれないかもしれません。

ただ、インボイス制度には経過措置もあります。

適格請求書発行事業者以外からの仕入も一定割合で控除できるという内容も含まれています。これは経過措置期間が10年ありますが、軽減税率が開始されたのは2019年でそこからカウントされるので実際は2029年が措置期間終了予定となります。

なので焦って導入するよりも様子を見て対策をしっかり取るのも1つの手かもしれません。

売上1000万円以下の免税事業者の取引

上記でもお伝えしましたが、免税事業者との取引では。適格請求書発行ができないので、控除を受けられません。

不便だと感じられる取引先から契約をストップされる可能性さえあります。

 

免税事業者は経過措置を利用しつつ、課税事業者になるかどうかを慎重に判断すべきでしょう。

 

インボイス制度 | まとめ

確かにインボイスを導入することで請求書をデータ管理したり、適切な消費税額を把握できるなどのメリットはありそうです。

 

一方で、こういった新しい制度では不透明なことも多く、本当に会社にとって有益なのか、多くの個人事業主には不利益ではないかという疑問も拭い切れないのも事実のようです。

加えて、インボイス制度はその制度が煩雑でわかりにくいという声がたびたび上がっており、納税義務者に対してもっとシンプルで理解しやすいものにすべきだという意見もあります。

 

取引先の反応を見つつどうするのかを判断するというのも一つ考え方なのかもしれませんね。

 

 

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