インボイス制度 不動産賃貸事業の大家さんに必要な対策は
- 2022/12/23
- インボイス

2023年10月からスタートするインボイス制度。
これまで消費税の納付が免除されていた年間の売り上げが1000万円以下の小規模事業者が
2013年10月以降はインボイス登録をして、消費税を納付することになるという制度です。
今回はインボイス制度の影響を受ける可能性がある
不動産賃貸業
いわゆる、大家さん
についてご紹介したします。
住宅の家賃収入であればインボイス登録は必要なし
不動産の家賃収入を得ている大家さんの場合は
その賃貸契約の種類によって、インボイス登録の必要があるかどうかが変わってきます。
今回のインボイス制度は
取引相手が課税事業者かどうかによって、インボイス登録の必要性があり
to C(消費者が取引相手)
なのか
toB(事業者が取引相手)
なのか
そして、その取引相手が免税事業者なのか課税事業者なのかがポイントとなってきます。
まず不動産の取引にあたって、消費税が課されるものは以下の通りです。
消費税が課されるもの
- 店舗・事務所・倉庫の賃貸収入
- 駐車場の賃貸収入
- 太陽光発電の収入
- アンテナ基地局の収入
- 賃貸期間が1ヶ月未満の住宅家賃収入
- 賃貸建物の売却収入
といったものがあります。
消費税が課されないもの
- 住宅の家賃
- 駐車場賃料(家賃に含まれている場合)
- 土地の賃料
- 土地の売却収入
といったものがあります。
これを踏まえて、大家さんは
住宅の家賃収入のみの場合はインボイス制度の対策は必要ないということになります。
この家賃収入は仮に社宅として法人に貸している場合でも、住宅収入となりますので、消費税は免除されます。
そして、少々面倒になってくるのが
店舗や事務所の家賃収入がある場合です。
この時に大家さんと契約している相手が免税事業者なのか課税事業者なのかによって
対策は変わってきます。
まず、大家さんが年間売り上げ1,000万円以下の免税事業者で、なおかつ契約相手も免税事業者であれば、インボイスへの対策は必要ありません。
次に大家さんが免税事業者で、契約相手が課税事業者であった場合はインボイスへの対策が必要になってくる可能性があります。
契約相手からインボイスの発行を要求されるようであればインボイスに登録・発行し、納税の義務が生じてきます。
仮にインボイスを登録しないというのであれば、本来支払うべき消費税を契約相手が支払うことになるため、賃貸契約の解除や消費税分の値引きを要求されることがあります。
そのため、インボイスの登録をするのか、もしくは契約相手との交渉を余儀なくされるでしょう。
大家さんと契約相手がともに課税事業者であれば、インボイス登録が必要となりますので、素直に登録した方が良いでしょう。
インボイス対策には簡易課税制度の利用も検討しよう
いかがでしたか?
インボイス制度によって大家さんたちにも大打撃となりえます。
また対策としてはインボイスの登録以外にも
簡易課税制度を利用することで消費税の納付額を減らすことが可能です。
特に不動産事業者は第6種事業といって、消費税の税率(みなし仕入れ率)が40%と
全事業種の中で最も低いため、税理士の方と相談して、比較検討してみるのもいいでしょう。